未来へつなぐ
サステナブルな挑戦
- 髙井 愛子
- TAKAI Aiko
- 国際地域マネジメント研究科 准教授(マーケティング論、国際マーケティング論)
Profile
石川県出身。神戸大学大学院経営学研究科専門職学位課程修了(MBA取得)。ドイツ系およびアメリカ系の外資系医療機器製造販売企業において市場導入戦略やブランドマネジメントに関わるマーケティング業務に従事。専門は、マーケティング論、グローバルマーケティング論。研究は、サステナブルがテーマ。2020年から現職。
研究者詳細ページ
身近な課題が世界につながる
私が取り組んでいるのは「サステナブル?マーケティング」。SDGs(持続可能な開発目標)に沿う、持続可能なより良い世界を実現するための経済活動を探究しています。事例研究の一つに、福井の和紙と関わるアフリカ?ザンビアのバナナペーパーがあります。
大量に廃棄されるバナナの茎から紙を作り、森林破壊の抑制につなげる取り組みが、福井県越前市の和紙製造会社と、東京の紙製品の製造?販売業会社の協力により製品化されました。バナナペーパーは国際的な森林保全のFSC、途上国の生産者の利益になっているフェアトレードなどの認証を受け、価格は高くとも原料生産から消費までを通じてSDGsの実現を目指せるイノベーションとなっています。
部門間の調整がカギ
環境や社会の課題に向き合いながら、顧客に価値を届けるのは現代企業の責務です。企業では、サステナブル戦略、マーケティング、製造、営業、CSRなど各部門で優先する観点が異なり、しばしば利害が衝突し、それをどう調整するかが課題になります。私は、主に「企業部門」と「製品部門」の調整が持続可能な活動を広げていくための重要なテーマだと考え、研究を進めています。
サステナブルに関心を持ったきっかけは、アウトドア活動でごみが流れ着いた海岸を目にしたことから。研究を通じて、一人ひとりが日常的に使用する製品を通して環境への意識を高め、行動を変えるきっかけを生み出せたらと思います。そして学生の皆さんには、年齢に関係なく挑戦できること、国際的な視点を持つことで地域の価値に気づけることを伝えたいです。私自身、看護や企業でのマーケティングなど異なる分野を経て研究の道に進みました。だからこそ、どこからでもスタートできると思いますし、自分の「好き」から学びを広げていく姿勢を、ぜひ大切にしてほしいと思います。

マレーシア科学大学での研究発表の様子
大阪?関西万博には大興奮でした。あんな身近に世界の最先端のイノベーションが集まっていることに驚き、開催期間中は何度も、企業インタビューに足を運びました。


